こんにちは。福岡県那珂川市にある古賀歯科医院、歯科衛生士の尾中です!
今回は「歯周病治療」についてお話しいたします。
歯周病とは細菌の感染によって引き起こる炎症性疾患で、
周りの歯肉や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
歯周病は気づかないうちに進行してしまうので進行すると、
膿が出たり歯が大きく動揺し手遅れとなり場合によっては、
歯を抜かなければならなくなります。
そして日本人の歯を失う原因の第1位は歯周病(37%)です。
実は30代以上の3人に2人が歯周病と言われています。
歯周病を引き起こす主な原因は2つあります!
1つ目はプラーク(歯垢)です!
プラークは生きた細菌の塊で歯の表面に付着している白色または黄白色のネバネバ
した物質です。その中に細菌が存在し細菌が出す毒素によって歯肉に炎症が
起きてしまいます。
2つ目は歯石です!
歯石は歯垢(プラーク)が石灰化したもので、灰白色の石のような硬い塊です。
歯石自体表面の凹凸が大きいため細菌がつきやすく歯周病のリスクを高めます。
歯石は一度付着すると歯磨きでは落とすことはできないので、歯石になる前に
ケアすることが大切です。
歯周病は正しい治療を行えば進行を阻止することができます!
次に歯周病治療の流れを説明します。
歯周病治療は保険のルールで決まっておりそのルールに基づいて行います。
①歯周病検査
プローブと呼ばれる専用の細い器具を歯と歯茎の間に差し込んで、
歯周ポケットの深さを測っていく検査を言います。
歯周ポケットの深さは浅いほど健康な状態で2~3ミリだと健康な状態と言えます。
4~6ミリ程度で中度の歯周病、それ以上の深さになると歯周病が
かなり進行していると診断されます。
他にもレントゲンを撮影し歯を支えている骨の状態や
歯石の付着具合を確認することがあります。
②歯周基本治療
歯周基本治療とは歯周病治療の1番初めに行うもので、ブラッシング指導、
歯石除去などがあげられます。
<ブラッシング指導>
歯周病治療の基礎は「ブラッシング」と言われています。
歯の表面につくプラークはブラッシングで落とすことがき、
正しいブラッシングを行わないと歯周病が進行していきます。
当医院では歯磨き習慣をお聞きし、実際患者様が普段使われている歯ブラシを
持ってきていただき、患者様一人ひとりにあったブラッシング方法や歯間清掃の
方法をアドバイスさせていただきます。
<歯石除去>
歯石は大きく2つに分かれています。
見えるところに付く「歯肉縁上歯石」と
見えないところに付く「歯肉縁下歯石」です。
歯石は主に超音波スケーラーといわれる機械の振動を使い除去します。
注水下で行うため、根が露出している部分はしみる症状が出ることがあります。
歯肉縁下歯石などはハンドスケーラーといわれる、より先の細い器具を使い
歯1本ずつ歯石を探知し除去します。
見えない歯肉の中に器具を入れ、周りの組織を傷つけないよう
1本ずつ手探りで行うため非常に時間がかかる治療です。
そして、歯石の付着量や硬さによっては麻酔を使い何回かに分けて
行うため回数もかかる場合があります。
歯石除去をして、後日歯周病検査をして歯周ポケットが改善し安定すれば
メンテナンスに入ります!
③歯周外科治療
歯周基本治療後、歯周病検査を行いポケットが改善されない場合に行う
外科処置のことです。
麻酔をし、歯に沿って切開して歯肉を開き、歯根を露出させた状態にして
取り残した歯石や不良な肉芽(歯周病により悪くなった組織)を取り除き
歯肉を元に戻して縫合します。
外科治療を行うことによって歯周病で失うリスクがあった歯を健康に近い状態に
することができます!
外科治療後、歯周検査をして歯周ポケットが改善、安定したことを確認し
メンテナンスに入ります。
歯周病は完全に治る病気ではありません。
改善した歯周ポケットを維持するためには正しいブラッシングや定期的なメンテナンスが非常に重要です!
メンテナンスや歯周病治療を中断してしまうと、
歯周病が進行し最悪の場合、歯を失ってしまいます。
歯を失うと、自分の歯でおいしく健康に食事を楽しむという
人生の豊かさが失われてしまうのです。
皆様に後悔のない豊かな生活を送って頂けるようサポートさせていただきます!
当院はご予約の方が優先です。 来院される時には事前のご連絡をお願いします。